「Excelを使っているけど、関数はよく分からない」「SUMくらいは知っているけど、それ以外は難しそう」——こうした方に向けて、業務でよく使う基本的な関数を、具体的な使い方とともに分かりやすく解説します。一つずつ覚えていけば、日々の作業が驚くほど早くなります。
関数を使う前に知っておきたい基本ルール
Excelの関数は、すべて「=」から始まります。たとえば「=SUM(A1:A10)」と入力すれば、A1からA10までの合計が計算されます。括弧の中に「どのデータを使うか」を指定するのが基本の形です。
セルの範囲を指定するときは「A1:A10」のように、開始セルと終了セルを「:」(コロン)でつなぎます。これだけ覚えておけば、これから紹介する関数もすぐに使えるようになります。
①SUM関数——合計を計算する
最も基本的で使用頻度の高い関数です。指定した範囲の数値をすべて合計します。
使い方:=SUM(A1:A10)
具体例:1月から10月までの売上が入力されたA1〜A10セルの合計を出したいとき
毎月の売上合計、経費の合計、在庫数の合計など、数字を足し算する場面のほとんどで使えます。
②AVERAGE関数——平均を計算する
指定した範囲の数値の平均値を計算します。
使い方:=AVERAGE(B1:B10)
具体例:社員10名のテストの点数から、平均点を出したいとき
合計だけでは見えない「平均的な水準」を知りたいときに便利です。
③IF関数——条件によって表示する内容を変える
「もし〇〇なら、こうする。そうでなければ、こうする」という条件分岐を作れる関数です。最も応用範囲が広い関数の一つです。
使い方:=IF(条件, 真の場合の表示, 偽の場合の表示)
具体例:=IF(C1>=80, "合格", "不合格")——C1の点数が80以上なら「合格」、そうでなければ「不合格」と表示
売上目標の達成判定、在庫が一定数を下回ったときの警告表示など、条件に応じた自動判定に使われます。
④COUNT関数・COUNTA関数——数を数える
COUNT関数は「数値が入力されているセルの数」を数えます。COUNTA関数は「何かが入力されているセルの数」(文字も含む)を数えます。
使い方:=COUNT(A1:A10) または =COUNTA(A1:A10)
具体例:アンケートの回答が何件あるかを数えたいとき
回答件数の集計や、入力済みのデータ件数を確認したいときに使います。
⑤COUNTIF関数——条件に合うものだけを数える
指定した条件に当てはまるセルの数だけを数える関数です。
使い方:=COUNTIF(範囲, 条件)
具体例:=COUNTIF(D1:D50, "東京")——D1からD50の中で「東京」と書かれているセルの数を数える
「ある条件に当てはまるデータが何件あるか」を知りたいときに非常によく使われます。
⑥SUMIF関数——条件に合うものだけを合計する
指定した条件に当てはまるセルの数値だけを合計する関数です。COUNTIFの「合計バージョン」と考えると分かりやすいです。
使い方:=SUMIF(条件範囲, 条件, 合計したい範囲)
具体例:=SUMIF(D1:D50, "東京", E1:E50)——D列が「東京」の行に対応するE列の数値だけを合計する
「東京エリアの売上だけ合計したい」「特定の担当者の件数だけ集計したい」といった場面で活躍します。
⑦VLOOKUP関数——表からデータを検索して取り出す
指定した値を別の表から検索し、対応する情報を取り出す関数です。やや複雑ですが、覚えると非常に便利です。
使い方:=VLOOKUP(検索したい値, 検索する表の範囲, 取り出す列番号, FALSE)
具体例:=VLOOKUP(A1, 商品リスト!A:C, 2, FALSE)——A1に入力した商品コードを商品リストから検索し、2列目(商品名)を表示する
商品コードから商品名や価格を自動表示したいときなど、「コードを入力したら関連情報が自動で出てくる」仕組みを作れます。最後の「FALSE」は「完全に一致するものだけを検索する」という意味で、基本的にはFALSEを指定すると覚えておけば問題ありません。
⑧XLOOKUP関数——VLOOKUPの新しい版(使える場合)
XLOOKUPはVLOOKUPの後継として登場した関数で、より柔軟に使えます。最新のExcelやMicrosoft 365を使っている場合に利用できます。
使い方:=XLOOKUP(検索したい値, 検索する範囲, 取り出したい範囲)
具体例:=XLOOKUP(A1, 商品リスト!A:A, 商品リスト!B:B)
VLOOKUPと違い、列番号を数える必要がなく、検索する列と取り出す列を別々に指定できるため、表の構成を変更しても数式が崩れにくいというメリットがあります。
⑨TODAY関数・NOW関数——今日の日付・現在時刻を表示する
TODAY関数は今日の日付を、NOW関数は現在の日付と時刻を自動的に表示します。
使い方:=TODAY() または =NOW()
具体例:請求書や報告書に「作成日」を自動で表示したいとき
ファイルを開くたびに自動更新されるため、日付の入力を手作業で行う必要がなくなります。
⑩CONCATENATE関数(または「&」)——文字を結合する
複数のセルの文字を一つにまとめて表示する関数です。
使い方:=CONCATENATE(A1, B1) または =A1&B1
具体例:=A1&" "&B1——A1に「田中」、B1に「太郎」が入っている場合、「田中 太郎」と表示する
姓と名を分けて管理しているデータを一つの欄にまとめたい、部署名と担当者名を一緒に表示したいといった場面で便利です。
関数を覚えるときのコツ
すべての関数を一度に覚える必要はありません。次のステップで進めると無理なく身につきます。
ステップ1:まずSUM・AVERAGE・IFの3つを使いこなせるようにする。これだけで日々の業務の多くがカバーできます。
ステップ2:COUNTIF・SUMIFで「条件付きの集計」ができるようになる。
ステップ3:VLOOKUPまたはXLOOKUPで「表からの検索」ができるようになる。ここまで来れば、Excelの基本的な関数操作はほぼ習得できたと言えます。
困ったときは、関数名と「使い方」を検索すれば多くの解説が見つかります。実際に手元のデータで試しながら覚えていくのが、最も身につきやすい方法です。
まとめ:関数を覚えると、作業時間が大きく変わる
紹介した10個の関数は、Excelを使う多くの場面で活躍する基本中の基本です。最初は難しく感じても、一つずつ実際に使ってみることで、確実に身についていきます。
もし「関数を駆使しているけれど、それでも作業が大変」「関数だけでは対応できない複雑な業務がある」と感じる場合は、それはシステム化を検討するタイミングかもしれません。シスナビでは、Excelでの限界を感じた業務についてもご相談を受け付けています。お気軽にお声がけください。